旅行中のお金の持ち方 — 現金・クレカ・Wiseを実例で比較
結論:大量の現金を持ち歩く時代は終わりました。紛失リスクと両替手数料で10%近く失います。クレカをメインにWiseを補助で使うのが一番ロスが少ないです。
先に結論
| 方法 | 実質コスト | 紛失時 |
|---|---|---|
| 現金(空港両替)往復 | 約10% | ❌ 取戻し不可 |
| クレジットカード(海外利用) | 約1.6〜2.2% | ✅ すぐ停止可 |
| Wise デビットカード | 約0.4〜0.7% | ✅ アプリで即凍結 |
※ 上記は目安。カード会社・金額・通貨ペアによって変動します。
① 旅行で一番まずいのは「大量の現金」
海外旅行で最大の失敗は 大量の現金を持っていくこと です。理由は2つあります。
(1) 紛失・盗難で戻ってきません。 スリ、置き忘れ、ホテルの金庫破りなどで現金が消えたら、取り戻す手段はほぼありません。警察に届けても返ってくる可能性はほぼゼロです。
(2) 両替で高額な手数料を払っています。 空港や街の両替所は、公式レート(ミッドマーケットレート)に3〜5%の手数料を上乗せしています。日本出国時に両替し、帰国時に余った外貨を円に戻すと 往復で10%近く失います。
10万円持って行って、スリにあえば10万円が消える。両替往復で1万円が消える。この両方のリスクを避けたいのです。
② 実例:¥100,000 を空港で両替して戻すと?
前提(2026年4月時点の相場感):
- ミッドマーケット(公式)レート:1 USD = ¥155
- 空港両替所「売値(JPY→USD)」:1 USD = ¥164(+5.8% スプレッド)
- 空港両替所「買値(USD→JPY)」:1 USD = ¥146(-5.8% スプレッド)
これは「使わずに持っていて戻した」場合の損失です。実際には現地でも両替して使うのが普通ですが、未使用分を戻す時に同じ問題が起きます。余った現金を「次の旅行のために」取っておく人もいますが、為替変動で価値が下がる可能性もあります。
③ クレジットカードは実質コスト約2%
海外でクレカを使うと、決済はVisa/Mastercardのインターバンクレート(公式レートにほぼ等しい)で処理されます。その上に海外事務手数料1.6〜2.5%が上乗せされます。
主要カードの海外事務手数料:
・ 楽天カード:1.63%
・ エポスカード:1.63%
・ 三井住友VISAカード:2.20%
・ JCBカード:1.60%
つまり ¥100,000 分の買い物に対して実質コストは 約¥1,600〜¥2,500。空港現金両替の1/5以下です。しかも:
- 紛失・盗難時にすぐ停止できます(24時間対応のコールセンター)
- 不正利用は原則補償されます
- 多くのカードに海外旅行保険が自動付帯されます
④ Wise デビットカードは0.5%前後
Wise(旧TransferWise)は送金・両替専業の英国フィンテック。銀行の海外送金手数料が高すぎるのに怒った創業者が2011年に始めたサービスで、今は世界1,600万人が使っています。
Wiseの手数料構造:
- 両替レートは公式(ミッドマーケット)レートそのまま
- 両替手数料は通貨ペアによるが 0.41〜0.70%(USD/JPYは約0.45%)
- ATM引き出しは月200ポンド分まで無料、超過分は1.75%
- カード発行 ¥1,200(初回のみ)
¥100,000をUSDで使う実コスト:
空港現金:約¥5,800(片道換算)
クレカ:約¥1,800
Wise:約¥450
ただしWiseは「海外旅行保険」は付帯しません。クレカほどの補償網もありません。メインはクレカ、補助にWise、というのが現実的な組合せです。
⑤ 紛失した時の違い
現金
消える。警察に届けても戻らない。¥10万円なくせば¥10万円の損。
クレジットカード
24時間電話で即停止。不正使用は原則全額補償。停止までの数時間の決済も通常補償対象。
Wise
アプリのワンタップでカード凍結。新しいカード郵送依頼もアプリで完結。残高はそのまま。
⑥ 結論:実践的な組合せ
- メイン決済=クレジットカード
海外旅行保険付帯、紛失時の補償網が最強、店での利用率も最高。楽天カード・エポスカードが手数料1.63%で優秀。 - サブ=Wise デビットカード
ATM引き出し用、両替コスト最小。クレカが使えない屋台・小さな店で使用。 - 現金は必要最低限(¥10,000〜¥20,000相当)
到着直後のタクシー、チップ、緊急用。現地ATMでWiseカードから引き出すのが最安。空港両替所は最終手段。 - 帰国時:残った外貨現金は次回まで保管 or そのまま使う
両替所で日本円に戻すと10%の手数料を払うことになります。次回の旅行で使うか、空港で消費するのがベター。